2022/08/28 15:59

　米航空宇宙局（NASA）は８月29日にも、月探査用の大型ロケット「スペース・ローンチ・システム（SLS）」をフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げる。今回、SLSに搭載される新型宇宙船「オリオン」に宇宙飛行士は搭乗しないが、
2024年には飛行士を乗せて月軌道の周回、25年以降にはアポロ計画以来、約半世紀ぶりとなる飛行士の月面着陸を目指している。８月５日、有人宇宙部門の拠点であるテキサス州ヒューストンのジョンソン宇宙センターを訪れると、熱気が高まっていた。
（米テキサス州ヒューストン　冨山優介、写真も）





プールの底に月面を再現

　他の報道関係者とともにバスに乗り、最初に向かったのは「中性浮力研究所（NBL）」。縦約62メートル、横約31メートル、深さ約12メートルの巨大プールがあり、重力が地球に比べて約６分の１である月面での活動に習熟することができる。
プールは国際宇宙ステーション（ISS）での活動用の区画と、月面での活動用の区画が分かれており、水の中にISSを模した施設が見えた。月面用の区画には、大小様々な岩や、月の細かな砂「レゴリス」を模したブロックや砂がプールの底に配置されていた。大画面のモニターには、潜水服などを着て水中をゆっくりと移動する技術者らの姿が映し出されていた。

　NASAは今年６月、月探査計画「アルテミス計画」のための新しい宇宙服の開発企業２社を選定したばかり。今後、この施設で宇宙服の開発試験も予定している。NBLの副マネジャー、リサ・ショアさんは「この施設で、月面を歩く感覚を体験できる。多くの課題を見つけることで、宇宙服がより良いものになる」と話す。







ＶＲ技術も活用し運転訓練
　https://www.yomiuri.co.jp/science/20220820-OYT1T50170/